リーガルテックで契約関連業務をDX。ライフライン企業で導入が進む電子契約サービスとは
はんこレス、FAXレスなどさまざまな手続きの電子化が進む中、契約関連の電子化も進んでいます。例えばオンライン上での登記申請や、電子署名を用いた契約書への押印、AIを活用した契約書の作成やレビューなどが挙げられます。リーガルテックと呼ばれるこれらの最新技術を活用した業務改革は、パンデミック以降のリモートワーク推進の潮流も背景に、さまざまな企業で取り組まれています。
そこで今回はリーガルテックの中でも、ライフライン関連企業で導入が進んでいる電子契約サービスを紹介します。
電子契約サービスとは
そもそも電子契約とは、これまで紙の契約書に印鑑を押印することで締結していた方法に代わり、オンライン上の契約書(電子契約書)に電子署名することで締結できる方法で、これを実現するために提供されているものが電子契約サービスです。電子署名した電子契約のデータにタイムスタンプ(時刻証明するためのもの)を付与することで、法的にも紙の契約書と同じ証拠力があると認められています。
2021年5月に一般財団法人日本情報経済社会推進協会が発表した「企業IT利活⽤動向調査2021 」によると、回答した企業のうち、電子契約を利用した企業は約7割にものぼり、2020年の調査時に約4割だったことを鑑みると、この1年で大幅に増加していることが読み取れます。
ではライフライン企業において、実際にどのようにサービスが用いられているのでしょうか。その採用理由とともに紹介します。
関西電力が導入した「クラウドサイン」
弁護士ドットコムが提供する「クラウドサイン」は国内トップシェアの電子契約サービスです。日本の法律に特化し、弁護士がサービス全体を監修していることもあり、大手企業からベンチャー企業まで130万社以上に導入されています。
例えば関西電力は、これまで年間約5万件以上の社印捺印が発生していましたが、テレワークへの対応と業務効率化による生産性向上を目的として、2022年1月にクラウドサインを導入しました。導入後は社印捺印作業自体の削減だけではなく、収入印紙購入のための諸手続きや、契約書の製本・郵送の手間もなくなり、契約締結にかかる労力や時間の大幅な削減を実現、今後は全社への導入拡大を予定しています。
関西電力は多くの社員を抱えているため、クラウドサインが部門ごとのアカウント管理や、無権代理による無断署名リスクにも対応しているなど、内部統制を強化する機能も充実していることから導入に至っています。
このように単に作業を削減するだけではなく、会社の規模や既存の承認・押印手続きのフローなども考慮しながら、自社に合ったサービスを導入することが大切です。
クラウドサイン公式サイト
東邦ガス情報システムが導入した「BtoBプラットフォーム契約書」
インフォマートが提供する「BtoBプラットフォーム契約書」は、契約にかかる社内承認をオンライン上で行うことができるワークフローシステムや、紙の契約書を電子化し、アップロードするだけでオンライン上に保管することができる機能も提供しています。
東邦ガス情報システムでは、パンデミックにより在宅勤務が拡大したものの、押印作業のために出社したり、その分押印完了までに時間がかかってしまったりするなどの課題を抱えていました。そこで「BtoBプラットフォーム契約書」を導入し、そうした「ハンコ出社」といった不要な作業を削減。その効果を実感したことで、請求書の電子化も目指しています。
BtoBプラットフォーム契約書公式サイト
このように電子契約サービスはライフライン企業をはじめ、多くの企業で導入が進んでいます。行政でも茨城県や高知県などが導入を決定、神奈川県でも実証実験を始めました。今後、電子契約サービスが契約形態のスタンダードとなれば、むしろ電子契約サービスを導入していない企業との契約を敬遠される可能性も出てくるでしょう。
数多くの電子契約サービスが登場する中、料金やカスタマイズ性、言語対応数など、いかに自社やステークホルダーに合ったサービスを導入するか。それは業務効率化やコンプライアンス強化だけではなく、競争力強化にもつながるといえます。
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